わたしのあかちゃん
澤口 たまみ/ぶん 津田 真帆/え 福音館書店/発行
母から出産祝いで贈られて泣きながら読みました。子どもが小学生になるころに読むと親子で感動すると思います!4歳くらいから。
いもうとのにゅういん
筒井 頼子/さく 林 明子/え 福音館書店/発行
妹の入院をのりこえて、優しく成長するお姉ちゃんの姿を描きます。最後に妹に大切なお人形を渡すところで私は涙腺が崩壊します。同じ系統で「ちょっとだけ」もいじらしくて切ないです。4歳くらいから。
えんどうまめばあさんとそらまめじいさんのいそがしい毎日
松岡 享子/原案・文 降矢 なな/文・絵 福音館書店/発行
働き者だけど他にやりたいことがみつかるとすぐにそちらもやりたくなるおばあさんとおじいさん。共感必至の楽しいお話ながら、扉に書かれた【「暮らす」ということが大事。いそがしく、たのしくね。】の松岡享子さんの言葉に象徴されるとおり温かくエールを送ってくれる絵本です。5歳くらいから。
アローハンと羊 モンゴルの雲の物語
興安/作 蓮見治雄/文・解説 こぐま社/発行
「ウェン王子とトラ」を読むと泣けてしまうと話したら、図書館員の先輩がこれも泣けるよと教えてくれて、本当に泣けました。時に厳しいモンゴルの草原に生きる一人の女性と羊の交流を描いています。5歳くらいから。
ビロードうさぎ
マージェリィ・ウィリアムズ/ぶん 石井 桃子/やく ウィリアム・ニコルソン/え 童話館出版/発行
この本によれば、子どもにとても長い間、心からかわいがってもらったおもちゃは、本当のものになるのだそうです。私の大好きな「たぬきのぬいぐるみ」も、絶対本物だなと思います!6歳くらいから。
ルドルフとイッパイアッテナ
斉藤 洋/作 杉浦 範茂/絵 講談社/発行
知らない町にやってきてしまった猫のお話。おもしろい物語なのに泣けるところもある名作!33年のあいだにシリーズの5作目まで出版されており、早く6作目が出ないかなと期待しています。8歳くらいから。
やぎと少年
アイザック・バシェヴィス・シンガー/作 M・センダック/絵 岩波書店/発行
ノーベル文学賞作家による短編集。中でも「やぎのズラテー」は圧巻です!やぎが吹雪の中ある方法で少年を助けてくれるのですが、親子でそれはもうびっくり感動しました。8歳くらいから。
トンネルの向こうに
マイケル・モーパーゴ/作 杉田 七重/訳 小学館/発行
この作者の物語はどれも心にしみるのですが、この本は実在する兵士の話をもとにした物語で特に印象的でした。一体どうすれば良かったのか?と深く考えさせられる本です。9歳くらいから。
キリンの運びかた、教えます 電車と病院も!?
岩貞 るみこ/文 たら子/絵 講談社/発行
命や物を運ぶ人たちの、心のこもった工夫や努力を伝えるノンフィクションの読み物です。10歳くらいから。同じ作者の「救命救急フライトドクター」もおすすめです。
狐笛のかなた
上橋 菜穂子/作 白井 弓子/画 理論社/発行
こちらはファンタジー小説です。分厚い本ですが、結末にハラハラしながら一気に読めます。心にしみること間違いなしなので、どうか読んでほしいです!10歳くらいから。
自由への道 奴隷解放に命をかけた黒人女性ハリエット・タブマンの物語
池田 まき子/文 丹地 陽子/絵 学研プラス/発行
奴隷主から逃亡したのち命がけで何人もの奴隷逃亡を手助けし、奴隷解放のために尽力したハリエット・タブマンの伝記です。不屈の精神に感動します。10歳くらいから。
JK、インドで常識ぶっ壊される
熊谷 はるか/著 河出書房新社/発行
普通の女子高生が突然インドで暮らすことに?!インドで直接見て、触れて、感じたインドの光と影を、日本でなに不自由なく生活してきた女子高生の視点でまっすぐに綴っています。私も初めてインドに行ったときはカルチャーショックを受けました・・・。
インド残酷物語
池亀 彩/著 集英社/発行
格差や差別が当たり前のインド社会で生きる人々は、残酷なカースト制度や理不尽な変化にひるまず、たくましく生きています。長年、現地で研究を続けた著者により綴られるインド人の声なき声の記録です。あなたは「名誉殺人」って知っていますか?
家庭で作れる東西南北の伝統インド料理
香取 薫/著 河出書房新社/発行
面積は日本の約8.7倍、人口は13億人越え。そんなインドの食文化は多彩です。この本ではインドの東西南北の特徴や魅力をレシピや食材を通じて伝えています。インドの魅惑に取りつかれたら、ぜひ現地の味を再現してみてください。私は毎日インド料理でも飽きません。
13億人のトイレ
佐藤 大介/著 KADOKAWA/発行
経済大国インドは、携帯電話は持っているが、家にはトイレがないような、ちょっといびつな国です。中には命がけでトイレに行っている人もいます。海外特派員が、経済データという「上から」ではなく、トイレ事情という「下から」インドに迫っている面白い視点の本です。
インドを知る事典
山下 博司/共著,岡光 信子/共著 東京堂出版/発行
歴史・宗教や衣食住、インド映画など、インドの様々なことについて写真を交えて解説をしています。400ページ以上あるため、読み物として最初から順に読むのもいいですが、目次や索引から気になるページを探して読む方法もおすすめです。
小屋から大きなお城まで古今東西いろいろな建物が作られ、人々が暮らしたり、仕事をしたりと生活の中で使われてきました。また、いろいろな文学作品にも魅力的な建物が登場します。
地域や気候、文化によって様々な建築方法、建材、様式、意匠などがあり、同じような目的で建てられていても、全く別物に見えるものもあります。フランスの郵便局員が手作りで作り上げた宮殿など面白いものもあります。外見や意匠などを見るだけでなく、住みたい家を想像したり、設計したり、建物はいろいろな方法で楽しめます。今回は建物をいろいろな側面から楽しめる本を集めました。
ヴェルサイユ宮殿
クリストフ・フアン/撮影,トマ・ガルニエ/撮影,クリスチャン・ミレ/撮影,ディディエ・ソルニエ/撮影,永田 千奈/訳 筑摩書房/発行
世界中で最も華麗な宮殿と言われるヴェルサイユ宮殿。17世紀にルイ14世が建てたこの宮殿は、絢爛豪華な鏡の回廊やマリー・アントワネットが暮らしたことでも知られています。この本はこの宮殿の魅力を隅々まで知り尽くした4名の公式カメラマンによる写真集で、現地では見逃してしまうような細部まで大判の写真で見せてくれます。写真ごとに簡単な解説がつけられているので、現地に行ったことのある人もない人もヴェルサイユ宮殿を隅から隅まで楽しめる1冊です。
シャーロック・ホームズの建築
北原 尚彦/文,村山 隆司/絵・図 エクスナレッジ/発行
シャーロック・ホームズシリーズには、「ベイカー街221B」や「パスカヴィル館」など多くの建物が出てきます。この本ではシリーズに出てくる17件の建物についてホームズ研究家が原典の記述から外観や間取りなどを考察し、建築家が描く建物外観や間取りなどの図と合わせて作品や本文での建物の描かれ方、考察について解説しています。ホームズ作品を別の視点から改めて楽しめるとともに、ヴィクトリア朝の建築がわかる1冊になっています。
間取りの手帖
佐藤 和歌子/著 リトル・モア/発行
建物に付き物のものといえば、間取り。マンションや賃貸物件の広告には必ず掲載される間取りは、購入したり借りる決め手のひとつになります。しかし、掲載される間取りにはどうしてこんな設計をしたのか不思議な間取りがあったりします。この本は、そんな不思議な間取りを集めた本です。間取りにつけられた一言コメントがツボをついていてつい口許が緩みます。こんな部屋に住んだらどう過ごそうか、こんな部屋がある建物はどんな建物か、どんな人が住むだろうかなどなど想像が捗る1冊です。
建築探偵の冒険 東京篇
藤森 照信/著 筑摩書房/発行
近代建築史の研究者が日本中の近代建築をみることなどを目的に結成した「東京建築探偵団」。この本の刊行は昭和61年。建築探偵と称した著者が、当時まだ町中にいくつも残る西洋建築を観察し、その中から東京駅や皇居前広場、聖路加国際病院などについて考察したものをまとめた本です。活動の中で出会った設計者や関係者とのやり取りや図面などから、当時の雰囲気が伝わるとともに普段何気なく目にしている建物への興味を惹かれます。建築史という少しとっつきにくく感じますが、軽妙な文章が難解さを和らげ読みやすくなっています。
あなたのいえわたしのいえ
加古 里子/ぶん・え 福音館書店/発行
工学博士でもある絵本作家、加古里子(かこさとし)が作った「家」についての絵本です。子どもに向けて「家」とはどういうものなのか、屋根や壁などは何のためにあるのかなど、人が暮らしの中で、家をどんどん進化させていっていることが分かりやすく書かれています。大人が読んでも「へぇー」とついつい感心したくなる本です。
世々と海くんの図書館デート [1]
野村美月/作 講談社/発行
【登場する本】「うさぎのくれたバレエシューズ」(安房直子/文)「てぶくろをかいに」(新美南吉/作)ほか。シリーズが5冊あります。
なみきビブリオバトル・ストーリー [1]
赤羽じゅんこ/作 松本聰美/作 おおぎやなぎちか/作 森川成美/作 さ・え・ら書房/発行
【登場する本】「グレッグのダメ日記」シリーズ(ジェフ・キニー/作)「ヒックとドラゴン」シリーズ(ヒック・ホレンダス・ハドック三世/作)ほか。シリーズが2冊あります。
虹いろ図書館のへびおとこ
櫻井とりお/著 河出書房新社/発行
【登場する本】「ぐるんぱのようちえん」(西内みなみ/さく)「ドリトル先生の楽しい家」(ヒュー・ロフティング/作)ほか。シリーズが3冊あります。
図書室のキリギリス
竹内真/著 双葉社/発行
【登場する本】「モーフィー時計の午前零時」チェス小説アンソロジー(ジーン・ウルフ/ほか著)「オカメインコに雨坊主」(芦原すなお/著)ほか。シリーズが3冊あります。
翼を持つ少女 BISビブリオバトル部
山本弘/著 東京創元社/発行
【登場する本】「キャプテン・フューチャー」(エドモンド・ハミルトン/作)「地球人のお荷物」(ポール・アンダースン/著 ゴードン・R・ディクスン/著)ほか。シリーズが4冊あります。
金曜日の本屋さん [1]
名取佐和子/著 角川春樹事務所/発行
【登場する本】「白鳥の歌なんか聞えない」(庄司薫/著)「長いお別れ」(レイモンド・チャンドラー/著)ほか。シリーズが4冊あります。
『さいごの本やさん』の長い長い終わり むすぶと本。
野村美月/著著 KADOKAWA/発行
【登場する本】「野菊の墓」(伊藤左千夫/作)「かいけつゾロリのなぞのうちゅうじん」(原ゆたか/さく・え)ほか。シリーズが5冊あります。
知られざる古墳ライフ
譽田 亜紀子/著,スソ アキコ/イラスト,松木 武彦/監修 誠文堂新光社/発行
この本は、著者が自分の名前に古墳の名前が付いていることから古墳を意識しつつも興味が持てなかったというエピソードから始まります。タイトルやイラストが可愛く、写真も多いので、マニアックでありつつも読みやすいです。私が読んで一番印象に残ったのは、なぜ古墳が作られなくなったのか書かれた部分でした。学校では習わなかった新しい知識と出会えるのでおすすめです!
懐かしくて新しい「銭湯学」
町田 忍/監修 メイツユニバーサルコンテンツ/発行
銭湯研究第一人者の著者が銭湯の楽しみ方や魅力をたっぷり伝えてくれます。中でも第3章「銭湯の見どころ」では、銭湯ごとに違う外観だけではなく、下駄箱や桶、カランなどの細かなアイテムなどパーツごとに解剖していて、マニアックで面白いです。銭湯に行ったことがある人もない人も、この本でいろいろな角度から銭湯を楽しんでみてください。
ほんわかクラゲの楽しみ方
平山 ヒロフミ/著,アクアパーク品川/監修 誠文堂新光社/発行
私は丸いフォルムと水玉模様が可愛い「タコクラゲ」が好きです。クラゲが水の中を漂っている姿は幻想的で癒しそのもの…いつまでも眺めていられます。この本を読んで「カラージェリー」「カザリクラゲ」にも新たに興味が出てきました。クラゲの基礎知識やおしゃれな飾り方、クラゲが見れる水族館など紹介されています。写真も多めで癒されつつ、クラゲの魅力と著者のクラゲ愛がたっぷり伝わってくる1冊です。
部屋で楽しむきのこリウムの世界
樋口 和智/著 家の光協会/発行
「きのこリウム」とは「きのこ」と「テラリウム」の造語です。私のお気に入りは、「手のりきのこ」「宇宙船きのこ」「ビーカーきのこ」です。可愛い容器にちょこんときのこが生えている姿がたまらなく可愛く、部屋にあれば癒され続けるなぁと思います。きのこリウムに向いているきのこの紹介や育て方など丁寧に解説されているのでチャレンジするも良し、本を眺めて癒されるのも良し、映える写真を撮るのも良し!と楽しみ方満載です。
こじらせ美術館
ナカムラ クニオ/著 ホーム社/発行
作者は『美術史は、芸術家たちの「偉大なるこじらせ」から生まれた』と表現していて、この本には有名な画家のこじらせ人生とその中でいかに作品を生み出してきたかが書かれています。ゴッホは「破滅型」、ピカソやムンクは「恋愛依存型」、ゴーギャンは「自己愛型」などこじらせの種類を分類しているところも面白いです。画家について知ると、その画家の絵が見てみたくなりました。こういうきっかけで美術を楽しむのはいかがでしょうか?
落語キャラクター絵図
美濃部 由紀子/著,辻村 章宏/イラスト メイツユニバーサルコンテンツ/発行
私の落語の知識と言えば「寿限無」「猫の皿」「時そば」といくつかの話のタイトルを知っているくらいです。この本を読んでみると江戸っ子たちならではの意地の張り合いが面白かったり、粋な行動が気持ち良かったり、親や家族の愛に感動できたりします。寄席に行くのはハードルが高い!というそこのあなた!まずは気軽に落語を楽しんでみませんか?このシリーズには「歌舞伎キャラクター絵図」もあります。
ミニシアター巡礼
代島 治彦 大月書店/発行
昨今、ミニシアターの閉館が相次いでいます。しかしその苦境の中、日々薄氷を踏む思いで切磋琢磨して映画館を守っている人たちがいます。全国12館の映画人を訪ねインタビューをした著作です。
そして映画館はつづく
フィルムアート社/編 フィルムアート社/発行
全国の映画館主をはじめとして、配給、上映関係者、ミニシアター・エイド事務局、映画監督・黒沢清、俳優・橋本愛らが、「映画館のこれまでとこれから」を語っている著作です。全国のミニシアターガイドも収録されています。
全国85劇場ミニシアターのある街へ。
米谷 奈津子/著 ジェイティビーパブリッシング/発行
全国から厳選した15館のミニシアターを、劇場周辺のお散歩ガイド付きで紹介した著作です。日本全国のミニシアターや俳優・井浦新のインタビューなども収録されています。
おやすみなさい、ホームズさん 上下巻
キャロル・ネルソン・ダグラス/著,日暮 雅通/訳 東京創元社/発行
職を失いロンドンをさ迷っていたペネロピ―は、窮地を救ってくれた1人の女性アイリーンと生活を共にすることになります。彼女は女優にしてオペラ歌手、ときには探偵稼業も営んでいました。ある日宝石商のティファニー氏から、マリー・アントワネット所縁のダイヤモンドの捜索を依頼され…。名探偵シャーロック・ホームズ「ボヘミアの醜聞」で、ホームズが唯一敬意を表した女性、アイリーン・アドラーを主人公に据えた冒険ミステリーです。
ルイザと女相続人の謎
アンナ・マクリーン/著,藤村 裕美/訳 東京創元社/発行
1854年のボストン。作家志望のルイザは新婚旅行から帰ってきた親友ドッティを訪ねますが、突然の友の死を知らされます。ドッティの死が他殺と判明したことから、ルイザは独自に調査を開始しますが…。本書の探偵はなんと、「若草物語」執筆前の若きオルコットです。19世紀のアメリカの生活や、「若草物語」のジョーを彷彿とさせる行動的に推理を展開するオルコットの様子など、オルコットファン必読の楽しいミステリーです。
贋作吾輩は猫である
内田 百間/著 福武書店/発行
夏目漱石の「吾輩は猫である」の猫が、落ちた水瓶から死なずに這い上がった後の物語です。なぜか這い上がった先は40年後で、猫はドイツ語教師の五沙弥先生の家に居候することになります。そこに集まる風船画伯、未然和尚など風変わりな人物達のやり取りを猫の目から見た、もうひとつの「吾輩は猫である」と言えます。本家本元に比べると、百閒独特のひょうひょうとした語り口が面白い作品です。